2013 |
06,02 |
«わかっていた»
あなたの1番になれないことなんて、最初からわかっていた。
割り切った関係だと、
それ以下になることはあっても、それ以上になることはないと、
お互いそう割り切った上での関係だった。
それでもきっと、それ以上を望まないのであれば終わることはないと思っていた。
寂しくなれば抱き合って、慰めあって、肌を重ねあって、そうやって生きていくのだと、そう思っていた。
「終わり、なんですね」
タオルケット一枚だけの距離。
男のクセに白い背中に向かって、わたしは呟くように問いかける。
聞こえているくせに、振り向きもしない。だから、そういうことなのだろうと口を閉じる。
なんてあっさりした最後なのだろうと、自然と笑いがこぼれた。
あんなに一緒にすごしたのに、結局彼にとってわたしは、その程度でしかなかったんだろう、と。
いつからだろう。
わたしだけのものにしてしまいたくなったのは。
いつからだろう。
彼に抱きしめられたくなったのは。
いつからだろう。
彼を思って、涙を流すようになったのは。
好きになってはいけない人だった。
そんなことは最初から、わかっていた。
割り切った関係だと、
それ以下になることはあっても、それ以上になることはないと、
お互いそう割り切った上での関係だった。
それでもきっと、それ以上を望まないのであれば終わることはないと思っていた。
寂しくなれば抱き合って、慰めあって、肌を重ねあって、そうやって生きていくのだと、そう思っていた。
「終わり、なんですね」
タオルケット一枚だけの距離。
男のクセに白い背中に向かって、わたしは呟くように問いかける。
聞こえているくせに、振り向きもしない。だから、そういうことなのだろうと口を閉じる。
なんてあっさりした最後なのだろうと、自然と笑いがこぼれた。
あんなに一緒にすごしたのに、結局彼にとってわたしは、その程度でしかなかったんだろう、と。
いつからだろう。
わたしだけのものにしてしまいたくなったのは。
いつからだろう。
彼に抱きしめられたくなったのは。
いつからだろう。
彼を思って、涙を流すようになったのは。
好きになってはいけない人だった。
そんなことは最初から、わかっていた。
一つの恋が終わる瞬間を見てしまった。
ぜんぶをこらえた彼女の呆然とした顔を、わたしは一生忘れないのだろうと思った。
悪い夢だったのだと、後悔しているかもしれないけれど、
まだまだこれからだものね、幸せになってほしい
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双井 志良
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