2006 |
12,01 |
今日からやっと十二月に入ったところだというのに、
世間ではもうクリスマスだ。
定番のクリスマスカラーが街では踊り、それを見る人たちも、心なしか嬉しそうに見える。
まだまだなのに、と思ったけれど、きっとすぐなんだろう。時間が経つのは、驚くほど早いから。
クリスマスといえば、大体家で家族と過ごすか、一人で過ごすかのどちらかだ。
今年は親も仕事があるとか言っていたし、弟も彼女とデートの約束をした、なんて言っていたから、
多分、俺は一人でいつものように過ごすのだろう。 クリスマスなんて、あんまり関係なく。
ケーキくらい買っておこうか、と言われたけれど、クリスマスに一人でケーキだなんて、虚しいにも程がある。
とにかく、十二月は始まったばかり。
もしかしたらクリスマスまでの何週間かの間に、予定が入るかもしれない。
そこまで考えて、あぁ、俺もなんだかんだ言いながら、クリスマスを楽しみにしてるんだな、なんて思った。
2006 |
11,30 |
«メロディ。»
放課後、毎日のように聞こえてくる歌声に、僕は耳を傾けた。
澄んだ、きれいな声。
一体、どんな子が歌っているんだろう。
声だけは、毎日聞こえるのに、僕はその子のことを、見たことがない。
その子が奏でるメロディを、僕は昔、どこかで聴いたことがある。
けれど、それがどこでだったのか、これがなんという曲だったかは、思い出せない。
懐かしい そんな気がするだけで、もしかしたら、一度も聴いたことがないのかもしれない。
この声の主は、どこにいるんだろう。
音楽室だろうか。 それとも、普通の教室だろうか。
一度でいいから、会いたい。 そう思った。
会って、訊きたいんだ。
懐かしいそのメロディの、名を。
2006 |
11,29 |
まだ十七時だというのに、外は随分と暗かった。
吐く息が、白く、頬を撫でる風は冷たかった。
隣を歩く友人の、口数がいつもより少ないのは、寒さの所為だろうか。
それとも、僕が曖昧な返事しかしない所為だろうか。
・・・恐らく両方だろう。
寒さに震える声は、少しだけ悲しく、空へと響いた気がした。
「ほんとにさ、どうするの?」
「うん、どうしようか。」
先ほどから、同じ会話の繰り返し。
僕の中にはすでに、答えは出ている。けれども、それを口にすることはなかった。
口にしてしまえば、今までの関係はきっと、ウソだったかのように崩れてしまう。
確信はないけど、そんな気がした。
「どうして、濁すかな。」
「・・・ごめん。」
「謝って欲しいんじゃないけどさ。」
その声は、いつまでも優しかった。
――― いっそのこと、突き放してくれたらいいのに。
僕はズルイんだ。 いつまでも一緒にいたいと思いながら、自分だけ違う道へ進もうとしてる。
ずっと今のままでいたいのに、突き放してくれたらいいと思ってる。
矛盾しまくりだ。 でも、どちらもウソじゃない。
どうすればいいんだ。 どちらを、選べばいい?
どっちも手放したくないと思う僕は、欲張りなんだろうか。
「俺は、俺の意見は、」
「分かってるよ。」
選ぶことが出来るのは、一つだけ。
どちらか一つは、手放さなければならない。
「僕は、」
どちらも大切過ぎた。
だから、こんなにも悩んだんだ。
「 」
僕の答えに、キミは、笑った? それとも、怒った?
2006 |
11,26 |
«目覚ましよりも。»
その日の朝は、とても冷え込んだ。
耳元でなる目覚ましが聞こえていながらも、なかなか布団から出ることが出来ない。
部屋の外からは、活動し始めた母が、忙しく動く音が聞こえていた。
母が起き出してこない僕に声を掛けるまで、あと十分くらいだろうか。
それまで僕は、布団の中にいればいい。 声がかかって初めて、布団から出たらいい。
僕は再び目を閉じて、「起きなさい」と声がかかるまで、布団の中で身体を温めることに専念することにした。
2006 |
11,15 |
«はじめまして。»
はじめまして、双井 志良です。
忍者ブログさんを使うのは初めてなので、まだいろいろ分からないのですが、ちょっとずつ慣れていこうと思ってますので、宜しくお願いします。
実はもう一つブログを持っていて、そちらのほうがメインなので、こちらのほうは相当不定期になると思うのですが、少なくとも週に一度は書けるように、と思ってます。
それから、こちらは友人にはあまり教えないでひっそりやっていきたいかなぁ、と思ってるので、メインのほうとはHNも全然違います。もし、メインのほうの僕を知っている方がいても、こっちでは「双井 志良」でお願いします。
と、こんな感じに書いてると、真面目っぽいかもしれませんが、実は全然そんなことないやつです。
今日はもう遅いので、簡単にでも自己紹介を改めてしようと思いますので!宜しければまた明日お越しくださいませ。