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遊歩道

なんてことないSSがメイン。 ほんのりBLがあるかもしれないのでご注意くださいませ。
2025
07,08

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2007
02,19

暖冬、暖冬と世間は騒ぐが、俺はそんなに暖かくないんじゃないかと思っていた。
雪こそは降らないが、そこら辺には霜柱を踏んだと騒ぐガキんちょ共がいたし、
屋外はマフラーもコートもホッカイロも必要なくらい寒かった。
夜寝るときの毛布二枚掛けに加え、足元には湯たんぽを置いた。
それくらい、俺には寒かったのだ。

「ちょっと、どこ行くの?」

朝早く、飯も食べずに家を出ようとした俺に、妹が声を掛けてきた。
ご飯くらい食べて行きなさいよ、と言いたそうな顔をしていたが、あえて気づかないフリをさせてもらおう。

「散歩だよ、散歩」

「この寒い中?風邪引くよ?」

日に日に口五月蠅くなっていく妹は、やはり母に似たんだろうか。
でも、俺は父に似ていっているとは思えない。

(俺、あんなに態度デカくないし)

心の中でため息を連発して、俺は妹に、「すぐ戻るし」と告げて、
その返答も待たずに家を出た。

確かに外は寒い。そして、家の中は暖かい。
それは十二分にわかってるけど、いつまでも家の中にいると、肺の中が生温い空気で満たされて、
ちょっと気分が悪い。
かと言って、その空気を逃がすように換気をすれば、家族から顰蹙を買う。
いつもはそんなこと気にしていなかったが、もし自分が家族の立場だったら絶対キレるだろうと思ってしまったから、今日は俺が外に行こうと思い立ったのだ。
妹に言ったとおり、すぐ戻るつもりだから、家の周りをぐるっと一周するだけでいい。
気分転換には、それで十分。


「・・・あ」

ふと顔を上げると、そこには梅の木があった。
ここは春になると、いつも梅がキレイで、近所では結構有名だし、俺も何度か遊びに来たことがあるけれど、
俺は枝を見て、声を上げたのだ。

そこには、濃いピンク色の花。
いつの間にか、花開いていた梅。
俺は毎日、学校に行くために外に出ているはずなのに、ちっともそれに気づかなかった。

まだこんなにも、俺にとっては寒いのに、
やっぱり今年は暖冬で、そして確かに春は近づいていたのだ。

そんなことにも気づかないなんて。


(・・・なっさけねェー・・)


そんなことを思いながら、
一生懸命に自分を主張している梅の花を、俺は眺めた。

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2007
02,12
やっとこさ跡部さま終わりましたー!お待たせしてすみませ・・。

正直跡部ってあんまり好きじゃなかったんですが、
格好良かったです。面白かった。

感想と呼ぶには申し訳ないような感想を書くので、ネタバレばっかです。
ネタバレいやん!って方は見ないで下さいな。

2007
02,12

嫌いだと言ったら、あいつは傷ついたような顔をした。
そして、一粒だけ、涙を零した。

言ったのは私。 でも、言わせたのは、あいつ。

私のほうが、あいつよりもきっと、ずっと傷ついた。
言われたほうより、言ったほうが傷つくことも、ある。

真っ赤な夕焼けで、あいつの顔が見えなくなる。
視界がぼやけるのは、なんでだろう。


「・・・・ばいばい。」


小さくそう呟くと、私の名前を呼ぶあいつの声が聞こえた。
でも、振り返ることは出来ない。

嫌いだと言ったのは私。
でも、嫌いだと言わせたのは、あいつ。

(あぁ、私、泣いてるんだ。)

涙が伝った頬を、洋服の袖で強く擦った。

2007
02,07
昨日終えたブン太の感想を。

用事終わったので、今日からまたゲーム再開。
一日一人を目標に、と言いつつ、日曜までに全員終わったらいいな、とか思ってます。(・・・

感想と呼ぶには申し訳ないような感想を書くので、ネタバレばっかです。
ネタバレいやん!って方は見ないで下さいな。

2007
02,05

想い出を語るとき、人はとても穏やかな表情をする。
それが例え苦労話であったとしても、普段とは違った表情になる。

ぼくは、それを見るのがとても好きだ。

普段大人っぽい人が、想い出話をすると、急に子供っぽくなったり、
普段子供っぽい人が、急に大人びて見えたり、
クールな人がお茶目になったりする。

きっと、それを話す本人たちに、その自覚はないんだろう。
けれど、どんなときよりも、優しい表情をしていると、ぼくはそう思う。

過去ばかりを振り返るな。
想い出は日を重ねるごとに美化されていく。
そんなコトバをよく聞くけれど、ぼくはそうは思わない。

過去を振り返るのも良いことだと思うし、
想い出は、そのときのまま、残るものだってあるだろう。
そしてそれを思い出すとき、人は成長するのだと思う。


「――そういえば、こんなこともあったよ。」


先生が生徒に想い出話をするとき、
母が子に想い出話をするとき、
自分が友達に想い出話をするとき、

誰もが、遠くを見つめる。
まるでその頃に戻ったかのように。

「――ねぇ、」

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